動画制作のクオリティを左右する「絵コンテ・構成表」の上手な作り方
さまざまな動画配信サービスがあることで、素人の方も動画制作するケースが増えています。クオリティの高い動画を制作するためには、絵コンテ・構成表が重要になります。とはいえ、絵コンテ・構成表の作り方がわからない方は少なくありません。そこで、この記事では失敗しない絵コンテ・構成表の作り方を解説します。
絵コンテ・構成表とは?
絵コンテ・構成表とは、動画の構成や演出を簡単な絵で表現して、企画の意図を相手に伝わりやすくすることです。また、文字も加えることで、よりイメージを湧きやすくします。
絵コンテ・構成表の必要性
必要とする理由は、想像した映像を作るためです。言葉のみで伝えても、想像する映像はひとりひとり異なります。イメージの食い違いを防ぐために、絵コンテ・構成表を用いてイメージの共有を狙います。そのほか、仲間とのコミュニケーションやコストダウンも挙げられます。
事前に絵コンテ・構成表があることで、スムーズなコミュニケーションをとれて、作業も進みやすくなるでしょう。また、コストダウンについては、絵コンテ・構成表を動画制作会社にお願いすると、費用も高くなります。自分たちで絵コンテ・構成表まで作成することで、余分な費用をカットできるのです。
絵コンテ・構成表はいつ作成する?
絵コンテ・構成表は発注が決まったタイミングで行われます。企画をもとに絵コンテ・構成表を作成し、依頼者に確認してもらいます。修正があれば修正に応じましょう。依頼者からOKのサインが出たら、動画制作に関わるスタッフと共有して動画制作に入ります。
上手な絵コンテ・構成表の書き方
絵コンテ・構成表は動画の完成度に大きく影響するため、誰が見てもわかるようなコンテンツを作成する必要があります。どのような手順で書き進めていくのか、ひとつずつ見ていきましょう。
目的・ターゲット層の明確化
絵コンテ・構成表の作成に入る前に、目的やターゲット層を明確にしましょう。ここが曖昧だと、動画全体が不安定になり、視聴者に伝えたいことを伝えられなくなります。企業名の認知度アップや商品購入の誘導など、目的をはっきりしたうえでターゲット層を絞ります。
たとえば、売りたい商品が若い世代に向けている場合、50代以上の世代をターゲットにしても響かないことがあります。そのため、ターゲット層を20代に絞り、さらに職業や家族構成、趣味、悩みなど細かく決めましょう。明確なターゲット層にすることで、細かな戦略を立てられ、視聴者の購買意欲も増しやすくなるでしょう。
絵コンテ・構成表を書く方法
まず、セリフやナレーションを書きましょう。最初に絵を描いてしまうと、言葉と映像が一致しない場合があります。言葉は動画の要になるので、はじめにセリフやナレーションを決めて、軸がぶれないようにしましょう。その次にカット割りを決めます。カット割りとは、シーンごとに構図やカット、シーンとのつなぎを指します。
一般的に、動画1カットの長さは3秒程度で、長くても6秒ほどです。1カット6秒以上になると、映像に動きがなくなってしまい、視聴者が飽きたり映像が止まったと勘違いしたりする場合があります。そのため、1カットは長くならないように注意しましょう。
そして、最後に絵コンテです。絵コンテは絵を上手に描く必要はありません。重要なのは、誰が見ても理解できる絵を描くことです。このコマでは、このようなアングル・動き・表情などをわかりやすく伝えます。また、文字が入ることもあるので、文字の入る場所も考えながら絵コンテを作成しましょう。
絵コンテ・構成表を作成する際の注意点
絵コンテ・構成表を作成する際、どんなことに注意したらよいのでしょうか。気になる注意点を2つ解説します。
伝えたいことは簡素に
動画に伝えたいことを詰め込みすぎると、情報が多くなり視聴者に伝わらない場合があります。30秒程度の動画であれば、伝えたい情報は最大2つまでにしましょう。伝えたい内容については、最初に決めた目的に応じて準備します。
たとえば、会社紹介を目的とした動画の場合、会社の強みや経営の特徴などに絞るとよいでしょう。また、採用動画の場合は会社の働き方や職場の雰囲気などがおすすめです。このように、伝えたい情報を絞ることで、相手が理解しやすい動画となります。
絵コンテはシンプルを心がける
絵コンテはシンプルに描くようにしましょう。実際の動画と絵コンテが必ずしも一緒になるとは限りません。撮影当日に天候やアングルの変更、アドリブなど、さまざまな事情が入ってくる場合があります。絵コンテで細かく決めてしまうと、当日の動画制作がやりにくくなる可能性があるのです。
そのため、絵コンテはシンプルに仕上げて、当日の撮影や制作がスムーズにできるようにしておきましょう。また、アニメ動画の場合、アニメを描くのはイラストレーターです。絵の雰囲気や動きのあるアニメ映像などは、絵コンテと大きく違います。
絵コンテはあくまでも、全体の流れを掴んで、ほかのスタッフと共有するための作業です。絵コンテで表情や仕草を細かく設定してしまうと、イラストレーターがやりにくいと感じるかもしれませんので、シンプルな作成にこだわることが大切です。
まとめ
昨今では、素人の方でも動画を制作して多くの方に見てもらう機会が増えました。やみくもに動画を制作してもメッセージ性を伝えることはできません。目的やターゲット層などをしっかり決め込んでから入ることが大切です。また、絵コンテ・構成表は動画制作を行うための基盤でもあります。丁寧に作業することで、そのあとの流れがスムーズにできます。さらに、動画のクオリティもあがるので、時間をかけて準備しましょう。